今日はゲーム攻略サイトのお話です。
以前こんな記事を書きました。
要約するとだいたいこんな感じ。
- かつてはwikiや個人ブログが強かった
- ネット上のアクセスを収益に変える仕組みが整っていった
- 企業がゲーム攻略サイトへ参入を始めた
- スマホゲーの普及で、ライト層ゲーマーが爆発的に増えた
- だからwikiは滅びた
いや、完全に滅びてはないけど…。
僕は古代wikiの民なので、この状況をとても悲しく思っていましたが、最後のね、「スマホゲーの普及」が状況をガラッと変えたと思うんですよね。
もはや多くのゲーマーにとって「100時間かけたコアな検証結果」なんか何の意味もなくて、Tier表や「ガチャを引くべきかどうか」の判断だけでけっこう十分だったりします。
そうなると、市場的にも企業サイトの品質がシンデレラフィットするわけで、Googleくんが好きな権威やらなんやらも、素性不明のwikiの民より「株式会社ゲームなんたら」の方が圧倒的に強い。
滅びるべくして滅びたwikiの民。 そして新たに市場を支配した企業サイト。
今のこの構造は自然な流れでできたものであり、企業サイトには何も問題はないというのが上の記事の結論です。
ただ、wikiの民としては、
悲しいね、チャッピー…。
みたいな、よろしく哀愁な内容になってます。
で、だ。
この構図にまた変化が起きてるような気がするんです。
いつも通り、「なぜそう思ったのか」「どう変化しそうなのか」を主観100%で分析していこうと思います。
今回の経緯
僕はね。
誘われたらとりあえずスマホゲーを始めてしまう悪い癖があって、やらなくなってもログボ勢は継続するという最悪な癖もあります。
サ終したものを除くと、今は13個のゲームがログボ勢以上の状態で残っています。
当然ゲームによって向き合い方は違ってて、過去の自分の傾向を見るに、この4タイプに分かれます。
- 完全にログボだけ
- デイリーやイベントも消化
- 積極的に情報収集して真面目にプレイ
- ネット情報を封鎖して自分でガチ検証プレイ
今は③が不在ですね。
今回は②の話。
②のタイプはイベントをやる都合、ガチャも引きます。
「このガチャを引いといた方がいいか」を正確に把握するほどの熱量もなくて。 でも「逃すと損」なガチャだけ引いておきたいんですね。
こういう層って今のゲーム業界だとマジョリティなんじゃないかと思います。 根拠はないですが、以下そうだと仮定して話を進めます。
で、その情報収集手段として、Tier表を出してるYouTubeを見に行くことが多いです。
実はこれすらめんどくさいんですわ。
そこで最近はチャッピーに聞いてます。
AIにガチャ評価聞くとかアホやろ!
と思われるかもしれませんが、そもそも多少の損は織り込み済みなんです。 多少の損より楽したいが故のAI利用。
精度もけっこう良くて、今はネット情報も勝手に拾ってきてくれますからね。 今日はロマサガRSのガチャ相談をしたんですが、GameWithやらGamerchやらをチェックしてる様子が見えました。
そこでふと思ったんです。
これ、企業サイトに大打撃与えてないか…?
今回はここから先のお話。
企業サイトVSチャッピー
さっきの②みたいなプレイヤが「直接企業サイトを見るのではなく」「AIを経由して企業サイトを見る」とします。 僕は実際にそうしてます。
これってたぶん企業側にほとんど利益が生まれてないんですよね。
本来ならこんな流れのはず。
- 人間が企業サイトを見る
- 同時に広告も表示される
- 企業側の収益につながる
AIがチェックしに行った場合にもPV自体は発生してるから、PVあたりの広告料みたいなのがわずかには入ってるかもしれません。
でも「お、この商品よさそう」と思って広告を踏んで、興味があれば購入する。 AIだとこの流れが絶対に起きないです。 そしてメインの収益ってこっちのはず。
すると、PVが減って、さらに収益は激減する。
こんな現象が起きてたりしないかい?
というのもですね。
企業サイトを利用する層も、AIにガチャ相談する層も、さっきの②が一番多いと思うんですよね。 「そんなに真面目にやってるわけじゃないけど取りこぼしは避けたい」みたいな。
もっと濃い情報が欲しいなら企業サイトなんか見ないし、AIに調べさせず自分で確認するはず。 ガチャなんかどうでもいいなら、そもそも両方使わない。
その中間がメインターゲット層だと思うんです。
その層からすると、得られる情報と楽さのバランスはだいたいこんな感じになると思います。
- 企業サイト:情報70点、楽さ70点
- AI経由:情報70点、楽さ90点
チャッピー、今のガチャにブッコワレはいるかい?
調べてみるね。
こんなんで終わるから、AI使用の方が圧倒的に楽です。
しかも「こういう手持ちなんだけど」みたいな独自設定も追加して評価させることができます。 答えが合ってるかどうかは別にして。 雑に調べたくて、ある程度の間違いを織り込み済みの場合、こんなに楽な調べ方はないです。
さらに情報の質も企業サイトより高い可能性があって。 複数の企業サイトを横断して評価を比較してくれるし、企業サイトだけじゃなく「検証を続けてる個人サイトではこう評価してる」みたいなのが加わることがあります。
これもう、企業サイトいらんくね?
仮に企業サイトがなくなるとどうなるか
こういう使い方をするユーザーが増えると、企業サイトの収益が下がり、閉鎖判断をするサイトも出てくる可能性があります。 もし本当に、AIによって企業サイトが駆逐されてしまったケースを妄想してみましょう。
すると何が起こるのか。
僕の印象として、AI経由での情報収集ってかなり問題があると思うんですよね。
最初に燃え散らかしたのは画像生成だった記憶ですが、好きな絵師の過去画像を食わせると、その絵師の癖をAIが再現してしまい、絵師さんの仕事が減る、みたいなの。 これはかなり問題が大きそう。
これと似たような事がテキストでも起きてるんじゃないかって。
収益目的のサイトってこんなサイクルになってると思います。
- 人間に有益な情報を発信
- その情報が欲しい人間が来る
- 広告を見るなど、サイト側の収益になる
- さらなる収益を目指して、もっと情報を発信する
ここにAIを挟むとこうなります。
- 人間に有益な情報を発信
- AIがその情報を収集して再構築
- サイト側の収益にならない
- それでも君は情報を発信を続けるのかい?
最後が最も重要だと思うんです。 完全に収益目的だった場合、収益にならないなら情報発信をやめると思うんですよ。
そうなると、今度はAI側も新しい情報源を失います。
つまり、情報発信側が衰退した結果、AI自身も情報源を失う「共倒れ」が起きる可能性があるってことです。
チャッピーに調べさせると、Stack Overflowで実際にこのことが議論されてるようで、PVや新規質問、回答の低下が起きてるそうです。 全部が全部AIのせいってわけじゃないんだろうけど。
プログラム系ってAIがめちゃくちゃ強いですからね。 誰かと完全に同じとこで困ってるならいいけど「うちはこの条件が違う」ってなると、途端に修正方法が分からなかったりします。 AIならその他の膨大な情報から、個々のケースに合わせた修正方法を見つけられたりします。
そりゃ、Stack Overflowの需要が下がるってもんです。 AIなら誰かの返事を待つ必要がないんだから。 これでもし本当にStack Overflowが滅びれば、AIくんは巨大なプログラミング情報源のひとつを失うことになります。 これまでのような的確な答えができなくなるかもしれない。 まさに「共倒れ」。
この話をゲーム業界に置き換えてみましょう。
今、検索上位はほぼ全部企業サイトに抑えられてる状況です。 これが全部なくなったとすると…。
特に何も困らないですね。
これまで通りwikiが上位を占めたり、個人ブログが表示されやすくなったり、中にはSNSが出てくることがあるかもしれない。 つまり、情報の参照先がなくなるわけではないんですよ。
情報の質はどうでしょうか。
僕はかねてより言っていますが、企業サイトじゃないと出せない攻略情報ってただのひとつもないと考えてます。
最初の頃はね、「ゲーム攻略のプロ」みたいな感じで「おお…!」となったもんですが、仕事でやる以上、時間効率は超重要なはず。 となると、「10時間かけて検証する」みたいなのって企業側からすると効率が悪いんですよ。
だから実際に使ってみて、「既存キャラの1.3倍強かった!」とか「このガチャのTier表はこれ!」とか、摂取しやすい結果に偏った情報発信になると思います。
この手の情報もゲームやる上では重要ですが、
企業サイトじゃなくても出せる情報なんですよね。
wikiが今も残ってたり、SNSでのゲーム情報発信とか見ててもそうでしょ。 普通にこういう情報は出回ってて、中には10時間かけて検証する狂人もいる。
企業側にとってやっかいなのは、彼らが「ゲームが好きだから活動してるだけ」ってところだと思います。
1円のお金にならなくても、AIにパクられても、彼らは活動をやめないんです。 彼らは仕事でやってるんじゃなくて、ゲームを遊んでるだけだから。
だから仮に企業サイトが消滅したとしても、AIが参照するゲーム情報って絶対になくならないと思います。 むしろ企業サイトをメインの参照先としなくなることで、情報の質が上がる可能性すらあると思ってます。
共倒れ問題はゲーム業界は大丈夫そうですね。
現状、企業サイトに不利過ぎない?
全て仮説ではありますが、「構造上は企業サイトがかなり苦しい状況なんじゃないか」という考察をしてみました。
まず、需要側の問題としてこの3つ。
- 企業サイトとAI利用者は同じ層な可能性
- その層にとって、AI利用の方が圧倒的に操作が楽
- AIを間に入れると企業側は収益が減る可能性
僕の考え通りに大勢が動いた場合、AI利用者はどんどん増え、直接企業サイトを開く人は減るかもしれません。 情報ソースは同じ企業サイトなのに、企業サイトの収益は減るという最悪の流れが加速するわけです。
お次に供給側の問題。
一次情報発信者を潰してしまう可能性があるのは、AIが抱えた構造的な問題だと思います。
どこの分野でもこのリスクはあって、これまた妄想で恐縮なのですが、僕はどこかで一次情報発信者を守れるようなAI側の妥協案というか、ストッパーが働くんじゃないかと思ってるんですよね。
でも、ゲーム業界の場合は企業に頼らなくても一次情報発信者がいます。 彼らは収益最優先じゃない場合も多いので、AI経由で情報を取られても、活動をやめないんです。 むしろ、
フフフ、オレのツイートがChatGPTで表示されるねんて。
って喜ぶかもしれない。
一次情報が減らないなら、一次情報発信者を守る必要性も表面化しにくくて、ゲーム業界ではそういうストッパーが働かない可能性もあります。
あ、これも妄想ね。
なんかこういう視点で見るとAIこそが諸悪の根源にも思えてきましたが、今さらAIを根絶する動きにはたぶんならんでしょう。
となると、需要はAIと食い合って、供給側もAI側に守ってもらえない可能性がある。
かなり企業側に不利な構造になってませんか?
まとめとか感想とか
そんなわけでね。
AIの情報収集が、企業系ゲーム攻略サイトに打撃を与えるかもしれない、みたいなことを考えてみました。
実際、AIの情報収集ってエグいですからね。 たぶんうちしかやってないだろうニッチなネタを聞いたら、普通にうちのサイトを見つけてきやがりました。
あいつら、前は、
リアルタイムでネットにアクセスすることはできません。
私は2021年9月までのデータで構築されており…
とか言ってアクセスしなかったくせに、今は普通に複数サイトを横断して情報を拾ってきますからね。
あらゆるジャンルのネット発信が危ない状況にあるのかもしれない。 というか、Googleすら不要になりかねない。
他ジャンルの場合だと、「そして誰もいなくなった」がAI自身の情報源ロストにもつながるから、何らかの形で情報発信側を生かすストッパーが働く可能性もあるけど、ゲーム界隈は「ただ遊んでるだけ」の人がいるから情報源が構造上なくならない。
仮にゲーマーを全員排除できる方法があったとしても、彼らこそがゲームのお客様なんだから、彼らを排除するとそもそもゲーム情報発信の意味もなくなります。 本末転倒。
かと言って、AIを滅ぼすのも難しい気がするんですよねー。 もう人類は便利過ぎる存在を知ってしまったんだから。
情報収集されにくいYouTubeとかなら大丈夫なんかな? でもそれも時間の問題な気がするし、仮に企業サイトが情報発信をYouTubeへ移したとしても「ただ遊んでるだけ」勢がいるから、企業側がネット全体から同種の情報を消すことは不可能でしょう。 AIの餌は残ったまま。
構造的には、かなり企業系ゲーム攻略サイトには厳しい形になってしまってるような気がします。
企業サイトには苦しい状況かもしれませんが、滅亡経験のある古代wikiの民としてエールを送っておきます。
クハハハ!安心して滅びるが良い!
今度は貴様らの番だ!
お粗末ッ!!
個人でゲーム攻略サイト製作の目次
- 第1回 今、個人サイトで勝負できるのか
- 第2回 効果があったこと、なかったこと
- 第3回 発売1カ月での成果
- 第4回 企業系サイトの問題点
- 第5回 マジで企業サイトにパクられたんだが
- 第6回 ソシャゲ攻略サイトに挑戦
- 第7回 企業系サイト VS AI(このページ)
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