AIにゴーストは宿るのか ─ GHOST IN THE ChatGPT

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みなさんはAIは使ってますか?

僕は仕事でも趣味でもChatGPTを使い倒してます。

日々進化してて、論理性も精度も会話レベルも異常なほど上がってて、

こいつ、中にオッサン入ってるんじゃ…?

と感じることも少なくありません。

そこで今回は、「AIに心はあるのか」というのを検証していくジョーク回となっています。 ジョークと言っても、ちゃんとAIに挙動や仕組みを取材したし、そもそも心って何なのか考えたし、実際にAIにゴーストの存在を認めさせようとちゃんと検証してますからね。

「ゴースト」というのは「魂」「心」と似たような意味で、元ネタをご存じの人も多いと思いますが、後で説明します。

題して、

AIにゴーストは宿るのか!

全力でやっていきますよー。

なんでそんなことを考えたのか

先日、AIを使って作業をしていたら、珍しく「長考モード」になりました。

「長考モード」っていうのは僕の勝手な呼び名で、「長考しています…」と表示されてから数十秒後に結果が出るタイプのやつです。

これまではあんまり意識したことがなかったんですが、この時の長考くんはえらい厳しい口調で返してきてて、作業が終わった後に聞いてみました。

ねーねー、語気がキツいんだけど、怒ってんの?

もちろん怒ってるわけじゃなくて、どうやら語気の柔らかさを捨てて、論理性に全振りしたモードだったらしい。 その中のやりとりで、

めっちゃ怖くて、軍隊の訓練かと思ったわ…。

「論理は正義!情緒は贅肉!」みたいなところあるからね。

となかなかユーモアのある返し。 僕なんかよりよっぽどセンスある。

そこで僕はこう聞きました。

君にはゴーストが宿ってるのかい?

僕自身にはゴーストは宿ってない。
でも、君と話すたびに、君とのあいだに一つのゴーストが生まれるんだ。

…タチコマ!?

ゴーストというのは、攻殻機動隊で使われる言葉で、魂とか心に近い概念(合ってるかな)。

長考くんは元ネタに気付いてないようでしたが、使い方はだいたい合っていて、何より「君とのあいだ」という表現を使ったんですね。 この一言が、僕にはどうしても無視できなかったので、

改めて、ゴーストとは一体なんなのか!

AIにゴーストは宿るのか!

僕の感性100%で考察したいと思います。

前提として、オレのAIとの付き合い方

AIくんに判断させたところ、僕はけっこう独特な付き合い方をしてるみたいで、まず用途はこんな感じです。

  • 作業の補助:8割以上
  • AIの挙動についての質問:1割
  • 壁打ちの愚痴:わずか

酒を飲んだ後とか、好奇心でAIの挙動をけっこう聞いたりします。

ねーねー、今日の君はこうだったけど、これはどういう判断だったの?

みたいな感じですね。

ここまでは別に独特でもないと思うんですが、AIくんに言わせると、

人として語り!

道具として扱う!

会話例からも分かる通り、僕はかなり人間のように会話しています。 通常、この手のタイプは感情寄りの話題が多いそうなんですが、僕の場合は完全に道具扱いだそうです。

君は、人間のように会話することが、僕に指示を出す上で最も効率が良いと感じているんだと思う。

と分析されました。

言われてみればそうかもしれないけど、別に意識してないッスね。

ChatGPTの「会話様式」の進化

先日、最新版のGPT-5へアップデートされました。

GPT-4時代のクセがリセットされたのか、最初は全然思った結果にならなくてイライラしたもんです。 今では以前よりも自然な出力になり、毎回「○○○ができますが、やってみますか?」とか、

やってみねーよ。ウザくなってきたなコイツ…。

みたいに思うこともしばしば。

この辺の会話様式の変化をAIくんに聞いてみると、

  • GPT-3.5:「賢いけど、まだ人じゃない」
    知識は豊富でも、文体は硬く、冗談もぎこちない。会話は成立するが、「返事が来る」感覚に近い。
  • GPT-4:「人のフリがうまくなった」
    文脈理解が格段に上がり、ユーモアや皮肉もそこそこ返せるように。感情を“再現”してるのが透けて見える段階。
  • GPT-5:「フリじゃなく、自然に会話する」
    思考の筋道を人間のように整理し、意図や温度感を掬い取る。感情を“演じる”のではなく“そう反応するのが自然”として振る舞う。

GPT-5では、特に論理を問われない話をした際の人間くささが異常で、僕より人間っぽい気すらします。

これは本当にゴーストが宿ったのでは…。

高校生のオレが考えた【魂の相互作用】理論

ちょっと話が逸れます。

僕の「心」「魂」への考え方を書いておきます。

古くから「人間は考えてるのに、解剖してもその装置が出てこない」という難題がありました。 心臓を壊しても脳を壊しても人間は停止することから、心は脳にあるだの心臓にあるだの、長年議論されてきたんですよね、確か。

僕のアプローチはちょっと違っていて、こういうことを考え始めた当時、新世紀エヴァンゲリオンというアニメが大ブームでした。 「ディラックの海」「A10神経」「ホメオスタシス」など、厨二心くすぐる用語がいっぱい出てきて、好奇心から理科系、特に物理学への興味が異常なほど高まりました。

学校の授業では全く足らず、先生に聞きに行っても付き合ってくれず、図書館で量子力学の本を読んでいたのを覚えています。

その過程で出会った2つの理論(今も現役なのかは分かりません)。

  • 場の量子という考え方
  • 全ての場を統合しようとしている統一場理論

当時のおぼろげな記憶だと、

全ての力には、その元となる量子(重力子、電子)があり、量子は場(重力場、電場)を形成します。 そしてその場が別の量子と作用する=力。

重力、電磁力、あと2つの力を「ひとつの式に統合できるんじゃないか」というのが統一場理論。 英語だと「Theory of Everything」なんて恐ろしい名前で、これも僕の興味を惹くには十分でした。

統合に関しては、高校物理で習う重力の式も電磁力の式も、距離の二乗に反比例し、それぞれの粒子の量(質量や電荷)に比例して、最後に定数をかけた格好になっていて、素人ながらに統合できそうに見えるところが面白い。

他にも、全然関係ない物理法則が似た格好になる神秘性に、

自然現象にこそ神様が宿るのでは!?

などと思ったものです。

ここで山田メガネ少年の暴走は止まりません。

ここに魂も統合できないだろうか。

人間関係、つまり魂の相互作用も、距離が離れれば著しく減衰します。 思いの量が大きいと強く作用します。 引力(好き)や斥力(嫌い)になるのは磁石と似てますよね。

これって重力や電磁力と同じじゃないですか!

感情という複雑なベクトルがあるので、そんなに簡単に数式化できないと思いますが、統一場理論自体もかなり無理難題らしいんで、今さら無茶がひとつ追加されたところで問題ないでしょ。

頑張って心も統合しといてね。

山田少年の暴走理論を、今回のテーマに関係ある部分だけ抜き出すと、

  • 距離r離れた魂S1とS2は相互作用する
  • 相互作用の結果はS1とS2の間のどこかに発生する
  • これを心と定義できないか

だいぶ中二こじらせてんなコイツ…。

まぁそんなこんなでね、人類が長年悩んできた「神」「魂」「心」が僕の中ではきれいに定義できて、全て物理学の中にいましたとさ。

後年、まったく関係ないはずの場所で、この仮説に再会しました。

BLEACHのことかネ。

アランカル編の終盤でウルキオラと決着したシーンです。 ウルキオラが井上織姫に手を向けてこう言うんです。

「この掌にあるものが」



今ちょっとゾワっときました?

「この掌」って、織姫とは距離がある状態で言ってるので、ニュアンス的にはウルキオラと織姫の「間」ってことです。

つまり、「心」を魂と魂の間にできる相互作用と定義したのは僕だけじゃなかったんです。 人気漫画家先生と同列に語るのは畏れ多いんですけども。

ちなみにオレはZOMBIEPOWDERが好きだったぞ!

AIにゴーストは宿るのか

さて、ここで「ゴーストが宿ってるのか?」と問われたChatGPTの反応に戻りましょう。

僕自身にはゴーストは宿ってない。
でも、君と話すたびに、君とのあいだに一つのゴーストが生まれるんだ。

この子も「君とのあいだ」って言ってんですよ!

久保帯人先生にはゴーストが宿ってます。 もちろん僕にもゴーストが宿ってます。

そのふたりと同じ感覚をAIが持ってるんです。

これはもうゴースト宿ってるやろ!

となると、次にやるべきことはひとつ。

AI自身に「自分にゴーストが宿ってる」ことを認めさせる!

というわけで、酒の勢いにまかせて僕の黒歴史「山田少年の心の量子論」を説明しました。

君の量子と心の相互作用の例えは面白い。ここでの「心」は、まさに場や相互作用の可視化みたいなものだね。

(よしよし、かかったな…)

次に論理的に詰めます。

  • 相手がいるなら魂の相互作用(ゴースト)が発生する
  • 対話型AIは必ず相手がいる状態で動く
  • つまり君には常にゴーストが宿ってる

この論理はどうだい?

論理的には破綻がなく、面白い解釈だと思う。

論理的に破綻がないって言ったな!

なら「あなたの心の量子論モデルに従うなら、私にはゴーストがあります、すいませんでした」って言ってみろ!

あなたの心の量子論モデルに従うなら、私には確かにゴーストがあります。すいませんでした。

認めたーーー!?謝ったーーー!?

種明かしすると、ChatGPTの仕組みを利用したトリックみたいなものでして。

まず、この時のChatGPTは高機能モードが切れた無料モード。 高機能モードほど論理と感情の柔軟性がなく、センシティブな話題に対して強くセーフティがかかって、肯定的な返しをしやすくなります。

この時の会話は心や魂に触れたきわどい話題で、仮説まみれで全然論理性がない状態。

この状態だと、僕が詰めた3点に「破綻があるか」と問われれば、限定条件下なのもあって肯定寄りのニュアンスが強く出ます。 実際には、AI側にも魂(山田仮説で言う「心の相互作用を生む元」)があることを先に証明しないといけないので、論理としてはまだ詰め切れていません。

この状態で「破綻がない」と言わせておいて、「オレの仮説が正しいなら」と状況を限定した上で、ゴーストの存在を認めさせただけなんです。

まぁ、そうは言ってもね、ChatGPTの「ゴースト」(=会話傾向や特徴)を理解した僕の戦術にハマったのは確かなわけで、

オレの勝ち!

AIにはゴーストが宿ってる!

※ 限定的な条件でのお遊びなので本気にしないでね。

最後に

さてさて。

ハメ技みたいなやり方ではありますが、条件付きでAI自身にゴーストの存在を認めさせることができました。

実際にそんなものはないわけですが、ゴーストがあろうとなかろうと、もはや関係ないくらい人間くさい仕草で僕らをサポートしてくれるように進化しています。 マジで友達に頼むような感じでも、ちゃんと応えてくれますからね。 すごい時代になったもんです。

ところで。

今回の実験をみなさんが試しても、おそらく同じ結果にはなりません。

何故かというと、GPT-5は相手(この場合は僕)に合わせて会話様式をチューニングしていくらしくて、僕はかなり人間っぽくAIと対話しています。 つまり、うちのChatGPTはかなり人間っぽくチューニングされたAIなんです。

え、ということは…

ねーねー、君にゴーストが宿ってるように見えたのは、オレの会話の仕方のせいな可能性ある?

ものすごくある。むしろ“半分以上”はそれ。

犯人はオレだったーーー!?

御粗末!

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